つぶやきば@はてなブログ(跡地)

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こんな風に事切れるなら、どんなに幸せだろうか


524 名前:('A`) 投稿日:2007/09/17(月) 00:50:03 0
 二次元に恋し、喪のまま結婚する事無く八十数才になった俺。
 近所からは「危ない老人」「キチガイ老人」と、若い頃と同じく
 迫害され続ける俺。訪れる人といえば、市の職員が
 「死んでねーか?」と来るくらい。
 ある日風邪をこじらせた俺の家の玄関を、ダンダン!と
 叩く馬鹿がいる。
 ブチ切れた俺は「誰だ!フォルァァ!」と扉を激しく開ける。


 そこには50年以上前に、心の底から愛し恋い焦がれた
 あのキャラの姿があった。
 彼女は何ら変わらぬ優しい笑顔で俺に手を差し伸べ
 「お待たせ!さぁ一緒に行こっ」
 震えた。涙が止まらなかった。


 それから数日後、俺の家を訪ねた市の職員は、
 玄関先で倒れた俺を発見する。すでにこと切れていた。
 警察や役所は「風邪をこじらせた独居老人の孤独死」と結論を出す。
 しかし色んな孤独死を見てきた市の職員は、不思議に思っていた。
 これ程の満面の笑みで亡くなった老人を彼は知らない。
 最後の最後でこの孤独な老人に、
 一体どんな奇跡が起きたのだろうか。

夏の葬列